全曲解説 2曲目「恋よがり」

太っ腹で気さくなジェントルマンは、まだ現れないようだ。まだそんなに時間も経っていないしな。それとも恥ずかしいのだろうか?

そりゃそうだ。普段あまり会ったことのない大の大人同士が狭い車中で…話が弾みゃあいいが、一通り天気の話や景気の話をして、話題無くなっちゃりして…けど窓の外は横浜の美しい景色…微妙過ぎる。苦し紛れにミサイルだのトランプだのの話なんかしたら、全く思想が違って余計気まづい雰囲気になっちゃったり…そりゃあ、ライブのテンションにも影響するって話だ。

けど心配はご無用。恥ずかしがらないことも大事だが、恥ずかしいという気持ちもまた可愛いものだ。「何度経験しても、恋愛はその度初心者になる」などという粋な言葉もある。デビッドボウイだったかな?

「恋よがり」という曲が、アルバムの2曲目に入っている。この曲の聴きどころは、なんと言ってもベースだ。

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前回「自分はビンテージの楽器しか使わない」ぐらいのことを言いながら、早速なんだ?このモダンなルックスは?まるでバンドを始めたばっかりの高校生みたいじゃないか。矛盾してるって?けど矛盾してるのは僕だけではない。この世界を見れば…(以下略)

昔は友達から仮パクした…いや、返そうと思ってるけど行方が分からなくったので有難く使わせて頂いてるジャズベースを弾いていたのだが、もともとギター弾きの自分にはゴツ過ぎて、しんどかった。一度某ロックバンドのサポートで、ライブステージで弾いたことがあるのだが、演奏中白い物体がヒュンヒュン飛んでいくので、「虫かな?」と思ったら、自分の指の皮だった。嘘のようだがホントの話である。

そのジャズベースに比べると、このフェルナンデス・ベースの、なんと弾きやすいことか!重さはギターよりも軽いくらい。木の乾燥状態がいいので、小さくてもビックリするぐらい低音が鳴る。これも自分で買ったわけではなく、神様が「よかったらこれ使ってみなよ」と、プレゼントしてくれたものだ。(詳しいことは言わない)

ベーシストが自分好みのベースと弾いてくれているので、ギターはただのっかるだけでよい。ああ、なんて自由なんだ!ライブではベースのパートとギターのパートを同時に弾かなくてはいけないので、制約がありまくる。でも、それもまたよい。

人は自由を欲しながら、いざ本当の自由を手に入れると、振る舞い方が分からなくなったりする。
月曜日から金曜日までみっちり働いていると、たまに半休した時の午後の日差しが、なんとも愛おしく思える。
苦痛だった会社を思い切って辞め、失業保険で暮らす日々。
「ああっ …なんて自由なんだ!」
目に入る全てのものが、新鮮に映る。

しかし、それもほんの1ヶ月ぐらいなもんだ。
だんだん、自由であることが苦痛にすら感じてくる。

人は、天の邪鬼な生き物である。

「恋よがり」を聴いてみる
詞・曲:YURI   アレンジ:Aberei(Gibson ES-125 1962)
※歌詞の内容は本文と関係ありません

CDは、ここで売ってるらしい

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